シドニー近郊の世界遺産、ブルーマウンテンズでナチュラルワインを造る親子。ボブとトム・コールマン(Bob & Tom Colman)のフランクリー・ディス・ワイン・ワズ・メイド・バイ・ボブ(frankly, this wine was made by bob)。

どうもMauve Wine Co. りょーじです。

今日はワインの産地としてはほとんど知られていないシドニー近郊にある世界遺産ブルーマウンテンズ(Blue Mountains)のブラックヒース(Blackheath)というところでナチュラルワインを造る親子、ボブとトム・コールマン(Bob & Tom Colman)フランクリー・ディス・ワイン・ワズ・メイド・バイ・ボブ(frankly, this wine was made by bob)(以下フランクリーワインズ)を紹介します。

去年のリリースで特にお気に入りだったシャルドネ。

知名度はあるが少し見劣りするニューサウスウェールズ州のワイン産地

オーストラリアのワイン産地といえばバロッサエリア(Barossa)に代表される南オーストラリア州(South Australia)アデレード(Adelaide)近郊やヤラバレー(Yarra Valley)などで知られるヴィクトリア州(Victoria)メルボルン(Melbourne)近郊、そして西オーストラリア州(Western Australia)のマーガレットリバー(Margaret River)などがよく知られています。

もちろんシドニーのあるニューサウスウェールズ州(New South Wales)にもハンターバレー(Hunter Valley)という有名なエリアがあり、色々な媒体で紹介されています。

オーストラリアのワイン産地の地図

ただ個人的には南オーストラリア州とヴィクトリア州の方が多くの素晴らしいワイナリーが集中していてニューサウスウェールズ州は少し見劣りする印象です。(もちろん個人的にも大好きで素晴らしいワイナリーもあります。ただ他の州と比べると少ない印象があるという意味です。)

またタスマニア州(Tasmania)も小規模ながら素晴らしいワイナリーが点在しているので僕の中ではニューサウスウェールズ州というのはある程度生産量があり(大量生産の大規模なワイナリーがあるため)ながら良いワイナリーは少ないという印象なんです。

マイナーエリアで造られるナチュラルワイン

かなり珍しいプティベルドーを使用したワイン。

そんな州の中でブルーマウンテンズというのはワインのイメージがほとんどないエリアで世界遺産で観光地というのが世間のイメージです。そしてコールマン親子のフランクリーワインズは素晴らしいナチュラルワインをそんな場所で造るとても珍しい例の1つなんです。

コールマンファミリーの自宅の前の道路。この日はものすごい濃霧だったが、山あいのこのエリアでは割と頻繁に霧が立ち込める。

彼ら親子はブルーマウンテンズでワイン造りをしていますがブドウはそこから西に2時間ほどドライブした場所にあるオレンジ(Orange)のものを使っています。

かなり離れた場所のブドウを使っていますが彼らもちゃんと畑に行き、手入れをしているので半分自社畑のようなスタイルです。そしてもちろんオーガニックで栽培したブドウを使いワインを造っています。

彼らの自宅のダイニングエリアから。目の前の木はとても立派な紅葉で奥は霧で真っ白になっている。
リビング・ダイニングから玄関に向かう階段。カントリーハウスは本当に憧れてしまう。
とてもセンスの良いリビング。家を紹介する記事ではないがとても素敵だったのでみなさんにも見てもらいたくて載せました笑。

運命を感じた息子の決断

ボブ・コールマンとその家族は元々シドニー在住でその後、ブルーマウンテンズのブラックヒースに移住し、現地で不動産業を営んでいました。(現在は妻のアデルが経営している。)

その頃から彼はワインが大好きで沢山のワインを入手しており、現在でも彼のセラーには約1000本のワインが保管されています。

庭の家庭菜園。もちろんオーガニック。

20代の頃、実は1度ワインメイカーになることを考えたボブでしたが色々な事情によりそれを選びませんでした。

しかし奇しくも息子のトムが彼がワイン造りを志そうとした時と同じ年齢になった2013年にワインメイカーになることを決断するのです。

そしてトムはワイン造りを学ぶために進学をし、ボブもそれに触発され自身の夢出会ったワイン造りの道へ足を踏み入れる事となるのです。

ナチュラルワインならバスケットレンジに行け!

行き先を示す標識。オーストラリアのナチュラルワインを語る上では外せない地名が並ぶ。

コールマン親子は当時ワイン造りを始める事を決意した時、すでにナチュラルワインを造ることも決意していました。

トムが南オーストラリア州でワイン造りを習った頃、ボブはまず最初にナチュラルワインを造るという事をワインジャーナリストのマックス・アレン(Max Allen)に相談します。

そしてボブはマックスに1人の造り手に会うことを勧められます。その造り手とは当時すでに南オーストラリア州・アデレードヒルズのバスケットレンジでナチュラルワインを造り、結果を出していたヤウマのジェームス・アースキンでした。

ヤウマのジェームス・アースキン

そして彼はジェームスに会うために南オーストラリアに行くのでした。

当時、南オーストラリア州のアデレードヒルズ(Adelaide Hills)にあるバスケットレンジ(Basket Range)という地区ではルーシーマルゴー(Lucy Margaux)のアントン・ファン・クロッパ(Anton Van Klopper)ヤウマ(Jauma)のジェームス・アースキン(James Erskine)、そしてジ・アザーライト(The Other Right)のアレックス・シュルキン(Alex Schulkin)など、今ではとても有名になった造り手たちが結果を出していて、その次の世代が続々と集まり始め、オーストラリア国内でもナチュラルワインが盛り上がり始めてきた時期でした。

以前に書いたこの造り手たちの記事は下のリンクからどうぞ↓↓↓

いよいよ親子のワイン造りのキャリアがスタート。

自宅の横に作ったらシェッドがワイナリー。広くはないがこれくらいの規模の造り手は結構いて、そのほとんどが素晴らしいワインを造る。

2015年のビンテージから、トムはヤウマのジェームスの元でボランティアとして働きながらワイン造りを学びます。

そしてこのアデレードヒルズのバスケットレンジという、ナチュラルワインの造り手が集まり、現在では聖地のように呼ばれているエリアで、トムは沢山のことを吸収していくのです。

シェッドを利用したワイナリー。

経験だけではなく、味を見極める才能も持ち合わせる。

その後トムは2016年にバロッサバレーのイェランド・アンド・パップス(Yelland & Papps)、2017年には再びヤウマ、そして2018年にはバスケットレンジのジェントルフォーク(Gentle Folk)でワイン造りをしていきます。

このような経験をしたトムのワインは間違いなくワイン好きを楽しみにさせるもので、オーストラリアのナチュラルワインを知っている人からすると彼のワインを見てみたいと思うはずです。

トム・コールマン。熟成中のワインを樽から全て試飲させてくれ、丁寧にさせてくれた。

さらにトムはジェントルフォークでのビンテージを過ごした後はヨーロッパに渡り、ワインを造ってきていますし、その合間にはシドニーで1番有名なワインジャーナリストの1人、マイク・ベニー(Mike Benny)の手がけるワインショップであるピー・アンド・ブイ・ワイン・アンド・リカー・マーチャント(P&V Wine + Liquor Merchant)で働き、マイクからの知識も沢山得ています

以前に書いたピー・アンド・ブイの記事はこちら↓↓↓

そしてトムの話をする時にみんなが口を揃えていうことが「テイスティングの能力」が高いということです。ですからボブはワインのブレンドや瓶詰めの時期などはトムの舌を信頼して任せているのです。

父・ボブだって負けてない。

ここまでかなりトムの事ばかりを書いてきましたが、ボブだって負けてません。

僕の彼の印象は「とてもスマートな人」です。とても理論的で説明もわかりやすくそして色々なことをとても勉強している人だと感じます。そして自分の考えをしっかりと持っていてそれに対してとてもまっすぐだと感じます。

そして先にも書きましたが家には幅広い産地とビンテージで約1000本をストックしており、元々ワインを仕事にはしていないもののかなりのワイン好きです。

そしてヨーロッパも旅行してワイン産地を訪ねるなど沢山のワインを見てきて知識、経験はすごいものがあります。

事実ワインの仕込み、醸造のほとんどはボブを中心に行われていて、彼のキャラクターから生み出される造りのこだわりはしっかりとフランクリーワインズには反映されているのです。

ボトリングの機械。かなりの少量生産なのでこのサイズの機械で足りてしまう。

今後の展望。自社畑や増産を考える。

ラベル表記は全てfrankly, bob made this ○○○(○は品種名)となる。

現在、フランクリーワインズはブドウを購入してワインを造っています。彼ら自身が頻繁に畑に行き管理をしてはいるものの自社畑ではありません。

約2時間のところに行く手間なども考えここ数年もう少し近い場所に自身の畑を持つことを検討しているようなのですがそれにはいくつかの障害や悩みがあるようです。

彼らの住むブラックヒースから約1時間のところにあるバサースト(Bathurst)fというところにある畑を1度購入することを検討したそうなんですがその時、野生の猪にブドウを食べられてしまうことが発覚してやめたそうです。

また同じエリアの造り手の話で収穫の少し前に雹の被害にあって、たった10分で全体の30%ものブドウが被害に遭い使い物にならなかったということがあったそうです。

このように現在のような規模で造るうちはリスクの方が高いようなので中々購入には至っていないようです。そして今購入しているブドウも自分たちでほぼ管理ができているので納得の品質のブドウが手に入ることも決め手を欠く要因だと思います。

とはいえ現在は約10t仕込んでいるブドウも今後は15−20tを視野に入れているようなので近い将来自社畑で栽培をしてワインを造る時が来るはずです。

熟成中のマルベック。フランクリーワインズではかなりメインの品種。

まとめ

コールマン親子が造るフランクリー・ワインズ、いかがでしたか?

ハッキリ言ってオーストラリア国内でも本当に知っている人は少ないと思います。個人的にとてもよくしてもらっていて今回の訪問でもランチとワインをご馳走になり、さらにワインを6本もらって帰ってきました。

別によくしてもらってるから宣伝してるわけではなく、とてもワインに魅力を感じるから僕からも常にコンタクトを取っていて彼らもそれに答えてくれているだけです。

すでにファンになっていますが、実際まだまだ良くなると思っていて、最近ボトリングをしたというロゼとオレンジにはとても期待しています。今後もインスタやツイッターブログなどでも必ず紹介していくワイナリーなのでみなさんも注目していてください。

左からトム、アデル、ボブのコールマンファミリー。他に2人の姉妹がいる。

それでは今日も最後まで読んで頂きありがとうございました。

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Mauve Wine Co.りょーじでした。